心筋梗塞後の心室壁の菲薄化は萎縮と考えられますか？

心筋梗塞後の心室壁の菲薄化は、通常、萎縮ではなく、むしろ機能の低下を伴う心筋の虚血領域の壊死です。萎縮とは細胞の大きさが減少することを指しますが、機能は変化しません。心筋梗塞後の心室壁の菲薄化は萎縮であるとは言えません。

心筋梗塞後は心室壁が損傷し、心破裂、塞栓症、心室瘤、心筋梗塞後症候群などの合併症が発生することがあります。

1. 心臓破裂：心臓破裂は一般的にまれです。これは心室自由壁の破裂によって引き起こされます。破裂が起こると、心嚢液の貯留により急性心タンポナーデや突然死を引き起こす可能性があります。まれに心室中隔が破裂し、数日以内に心不全やショック、死を引き起こすことがあります。心室壁が損傷すると、損傷部分が剥がれて塞栓を形成し、脳、腎臓、脾臓、または四肢の動脈に塞栓症を引き起こす可能性があります。

2. 塞栓症：大きな肺塞栓症が発生すると、突然死を引き起こす可能性があります。

3. 心室瘤：心室瘤は主に左心室に発生し、心不全、塞栓症、心室性不整脈を引き起こす可能性があります。

4. 心筋梗塞後症候群：発生率は約10％と比較的高い。心膜炎、胸膜炎、肺炎として現れ、発熱や胸痛などの症状が現れることがあります。心筋壊死組織に対する身体のアレルギー反応である可能性があります。